かつて森と共に生きる人の生活がありま
した。
炭焼きや材木のために木を伐り、
生活に必要な魚や野生動物の肉を必要な
分だけとって、
農的な暮らしと森の実りを頼りに暮らしていました。


森で伐られた切り株からはたくさんのひこばえが生えます。
ひこばえはたくさんの幹となり、多くの枝葉をつけ、花を咲かせ、
ミツバチなどの虫に蜜や花粉を与え、
代わりに花は受粉した後、ドングリなどの木の実になり、鳥や野生動物たちの糧になっていました。
人が自然と共生できる生活です。

枝葉が増えると、根も増えます。
たくさんの葉は山の土を肥やし、根は山肌を護ります。
肥えた土は雨水と共に川に鉄分などのミネラル
や有機物を運びます。
そうして、山は川と海を豊かにしていきます。
豊かさを失い、そして人が入らなくなった山には、餌を求めてシカやイノシシが生息域を拡げました。
いつしか豊富な栄養素をもつ農作物を狙って里に出てくるようになり、農作物にも被害が出ています。
荒れた田畑は生産者の耕作意欲を失わせ、さらに耕作放棄地が増え、そこを繁殖地とした野生動物が増え続けるという悪循環が生まれています。
野生動物による農作物被害額はデータに上るだけでも年間230億円にのぼっています。
一方で、野生鳥獣捕獲で獲られる数十万頭の命のうち、食肉として用いられるものは約1割程度で、大半が埋設や焼却処理されている現実もあります。


いつから私たちにとっての「肉」は、牛、豚、鶏ばかりになってしまったのでしょう?
日本人はあらゆる鳥という鳥を江戸時代まで食べていました。
生類憐れみの令や仏教の禁忌はあれど、たくさんの野生動物を食べてきました。
丈夫なシカの皮は武具としても活用されてきました。
「食肉」が牛、豚、鶏ばかりになった時、大量に安く「生産」するために世界中で恐ろしい問題がたくさん生まれています。
ふと、気づきます・・・
命とのつきあい方を少し見直すだけで、選ぶべき「命」「肉」「育て方」「食べ方」「活かし方」が見えてくるのではないでしょうか?

私たちは何を食べているのか、自然とどう関わっているのか、
また、関われるのか、少しだけ目を向けて欲しい。
なぜなら、いつまでも自然が我々がこうであって欲しいと思う
姿のままで続くわけではないからです。
このソーセージは、森を守る人、命を大切にする人が、森の現実を踏まえ、未来をつくるために共につくった森のお守りです。
いただいた命を無駄にしないことで、今とは違う山や森、川、海、
そして野生動物との関係をつくることができるかもしれない・・・
つくりたい。どうぞ、ゆっくりと味わってください。
野生のソーセージ ~森守~
販売:株式会社森守
〒415‒0314 静岡県賀茂郡南伊豆町蝶ヶ野343- 1
Tel (0558)62-5602
